処方ミスを検出するAIシステム

台湾の台北医学大学からのスピンオフ企業としてスタートした「AESOP Technology」は、誤処方を防ぐたのAIシステム開発に取り組む。現在、AESOPは米サンフランシスコに拠点を移しており、ハーバード大学との共同研究やMayo Clinic Platform_Accelerateへの採択など、米国市場参入への足場を固めている。

AESOPは、台北医学大学の教授で国際医療情報学会の創設者で現会長でもある、Yu Chuan Jack Li氏が立ち上げたもの。同氏はAESOP以前から10年間に渡って、投薬ミスを減らすためのビッグデータアプローチに取り組んでおり、これが電子カルテと連携することで誤薬特定を可能とするプロダクト「RxPrime」の発売に結びついた。AESOP設立後は、システムによって特定可能なエラー種を増やすとともに、米国医療システムを見据えた製品開発を続けてきた。このほど同社は、プレシリーズAラウンドとして295万ドルの資金調達を行ったことも明らかにしている

DxPrimeを初期に導入した複数の病院においては、正しい診断コードの効率的な選択と正確な医療費請求によって、入院患者あたりの診療報酬が5%増加するとともに、保険会社からの否認も減ったとしている。なお、米医療機関における当該AIモデルの移植性を実証したハーバード大学との共同研究論文はこちら

関連記事:

  1. 投薬自己管理のエラーを防ぐリモートセンシング技術
  2. 臨床医の行動から「処方ミス」を予測するAIシステム
  3. スマートEHR – 医師の思考プロセスに基づく情報抽出を実現
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事