医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向ブロード研究所 - TerraクラウドプラットフォームにNVIDIA Claraを実装

ブロード研究所 – TerraクラウドプラットフォームにNVIDIA Claraを実装

NVIDIAは20日、MIT・ハーバード大学ブロード研究所(Broad Institute of MIT and Harvard)と提携し、Terraクラウドプラットフォームとそのユーザー(アカデミア、スタートアップ企業および大手製薬企業など、2万5,000人以上の研究者)に、膨大な量のヘルスケアデータを迅速に分析するために必要となる「AIおよびアクセラレーションツール」を提供することを発表した。

NVIDIAが明らかにしたところによると、このコラボレーションは、同社が保有するAIにおける専門知識およびヘルスケアコンピューティングプラットフォームと、ブロード研究所が誇る世界有数の研究者・科学者、ならびにそのオープンプラットフォームを結びつけることを目的とし、以下の主要領域に焦点を当てる。1. TerraプラットフォームにNVIDIA Clara Parabricks(シーケンシングデータの二次解析に用いられる、GPUアクセラレーテッドソフトウェアのスイート)を実装 2. 生物学に向けた大規模言語モデルであるAIアプリケーションフレームワーク・NVIDIA BioNeMoの構築、3. ゲノム解析ツールキット(GATK)に、より優れたディープラーニングモデルを実装、の3点だ。

NVIDIAのヘルスケア担当バイスプレジデントであるKimberly Powell氏は、「ヘルスケアエコシステム全体が、疾病理解・診断法開発・治療法提供についてのブレイクスルーをもたらす『より優れたコンピュテーショナルツール』を求めている。ブロード研究所とのコラボレーションを拡大することで、NVIDIAは大規模言語モデルのパワーを提供できるようになる。最終的には共同のソリューションを構築することで、研究者の洞察を患者にとっての実際の便益に還元できるだろう」と話す。

関連記事:

  1. 心電図と臨床スコアから心房細動リスクを捉えるAIシステム
  2. 超高速シーケンシング技術がもたらす診断プロセスの変化
  3. TVConal – スポーツ向けのビデオ解析プラットフォーム
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事