将来のてんかん発作を正確に予測することは、患者QOLの向上と安全性確保に大きな役割を果たすが、既存手法による発作予測は容易ではない。近年の科学的エビデンスは「一部の患者において発作の発生が周期的なパターンを持つこと」を示唆しているが、これを機械学習アプローチによって捉えようとする研究成果が公表された。
14日、Physiological Measurementから公開された研究論文によると、3回以上の発作を報告した153人の患者(合計8,337回の発作)において、自己報告の発作ログ(いわゆる発作日記)を用いて、予測モデルのトレーニングと評価に利用する「発作間隔の時系列データ」を取得している。複数の機械学習アルゴリズムを適用し、モデル構築を行った結果、平均絶対予測誤差として50%(0日)、70%(1日)、81%(2日)、84%(3日)、87%(4日)で、発作時期を予測することが可能であった。
これらの発作予測は、日常の生活計画に反映させやすく、特に発作出現がハイリスクとなるイベントを時期的に回避することなどに役立てられる。著者らは、「患者個人や患者間の予測可能性レベルを研究することは、個人および集団単位でのてんかん発作の理解を深める道筋を開くもの」としている。
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