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AMA 2023年次総会 – AI生成の医療情報から患者を守る新指針

米国医師会(AMA)は、「AI利用が患者と医師の意思決定を強化し、健康を増進する」という大きな可能性を認識し、2018年にAIに関する公式指針を採択した。以後5年間、AIのポジティブな側面とネガティブな側面に対する認識が高まるよう、指針には微修正が加えられてきた。

2023年のAMA年次総会では、代議員会で審議された3つのAI関連決議案をまとめた新たな指針が公表された。具体的な内容は以下の通りである。
1. 大規模言語モデルなど、AIの生成する医療アドバイスやコンテンツが医療にもたらすメリットや予期せぬ結果について研究し、勧告を作成すること。
2. 州・連邦政府におけるAI関連の適切な規制案を、2024年のAMA年次総会で提案・報告すること。
3. 連邦政府や関係機関との協力で、生成AIによる誤った医療アドバイスから患者を保護すること。
4. 出版物・科学雑誌におけるAI利用の規制ガイドライン制定を支援すること。なお、このガイドラインには、研究手法内でAI利用を詳記することや、AIシステムを著者として除外すること、著者がAI生成の文章の真偽を検証する責任を負うこと、などが含まれている。

AMA評議員のAlexander Ding氏は「AIは医療を変革する可能性を秘めている。我々は、技術を追い求めることを望んでいるのではなく、科学者として医療を変革することを目指したい。専門知識を駆使して、偏見や格差の拡大、誤った医療情報の拡散など、意図しない結果を防ぐためのガイドラインを構築したい」と述べている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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