トルコ・エーゲ大学の研究チームが発表した「医学生向け医療AI準備尺度(MAIRS-MS:Medical Artificial Intelligence Readiness Scale for Medical Students)」は、この新たな時代に医学生がどれだけ適応できているかを評価する重要なツールとして、利用が進み始めている。MAIRS-MSは、医学生のAI技術やAIアプリケーションへの準備状況を、認知・技能・視覚・倫理の4点を通して、効果的に評価できるスケールとして設計されている。
オリジナルのMAIRS-MSは英語版として開発されたが、イランのマシュハド医科大学における最近の研究では、その「ペルシア語版」の効果が検証された。BMC Medical Educationに発表された本研究では、オリジナルの質問票における全22項目が専門の翻訳者によりペルシア語に翻訳され、バイリンガルの教員の協力により、意味・正確さ・言い回し・スペリング・文法の各面で精査と修正が施された。さらにAIの専門家である教員による最終チェックを経て、ペルシア語版MAIRS-MSの質問票が完成した。マシュハド医科大学の医学生502名を対象に実施された調査では、ペルシア語版の質問票への回答を基に、その妥当性と信頼性が、オリジナルの英語版と同等であることが確認されている。
AIに関する医学教育カリキュラムには、先進国と開発途上国との間での格差が指摘されている。これに対処するため、各地域で適切な評価尺度が求められている。ペルシア語版MAIRS-MSは、イラン国内の医学生の医療AIへの準備状況を効果的に評価し、それに基づく具体的な教育の改善策を立案・実施するための重要な基盤を提供することが期待されている。
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