医用画像AI企業のAvicenna.AIは、頸椎骨折をCT画像から検出・トリアージするAIツール「CINA-CSpine」が米食品医薬品局(FDA)から510(k)認証を取得したと発表した。
頸椎は首の7つの椎骨を指し、頸椎骨折は脊髄損傷による神経障害や麻痺につながる可能性がある。治療のタイミングが予後に大きく影響するため、迅速な検出と適切な治療が重要とされる。CINA-CSpineはこの頸椎骨折を検出するために設計されたAIであり、急性の頸椎骨折が疑われる所見を自動的にフラグし、放射線科医に既存のシステムを通じて通知する。CINA-CSpineは、米国と欧州の複数の施設から提供された、36の異なるスキャナーモデル(5ベンダー)から取得される300以上の非造影CT画像で検証され、感度90.3%、特異度91.9%を達成している。
頸椎損傷の診断ミスは訴訟の対象となり、米国における平均的な法的費用は約300万ドル、和解金は900万ドルに達することがある。CINA-CSpineのようなAIツールは、見落としを防ぐための第二の目として役立つことが期待されている。Avicenna.AIの共同創業者兼CEOであるCyril Di Grandi氏は、「頸椎骨折は脊髄が関与している場合、迅速かつ適切な医療対応が必要であり、正確な診断が不可欠である。CINA-CSpineにより、CT画像の解釈にかかる時間を減らし、頚椎骨折の治療プロセスにおいて重要な役割を果たしたい」と述べている。
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