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VR診察を普及させるためのユーザーフレンドリーな3D再構成手法

技術発展によりバーチャルリアリティ(VR)が身近となるなか、自宅にいる患者の診察をVRで行うことが現実的になってきた。しかし、現在使用されている3D画像技術で物体を完全に再構成するには、複数のカメラによる複雑なセットアップや、画像処理に必要な計算能力、コスト面などに課題がある。その解決策として、リトアニアのカウナス工科大学(KTU)の研究チームは、「部分的にしか見えない人物像に深層学習を利用して3D形状を再構築する手法」を提案している。

IEEE Sensors Journalに発表された研究論文によると、同手法ではカメラの死角を再構成するAIを開発しているが、これは2台の深度センサーカメラによる正面と側面からの撮影によって、被験者の3D像を再構成することができるというもの。この手法の利点は、1.比較的低コストで、2.得られた画像データを高い圧縮率で処理できるため演算能力への依存度が低く、3.既存のVRツールとの統合が容易である点が挙げられる。

本研究を主導するKTUマルチメディア工学科の主任研究員Rytis Maskeliūnas博士は、現在、彼らが医療分野で開発中の複数のアプリケーションの延長線上で今回のソリューションを提案している。KTUのインタビューでは、Maskeliūnas氏は「医師が患者に、鼻を触る、肩を回すといった簡単な動作をさせる際、身体がどのように曲がり、ねじれ、姿勢が変化しているか把握するためには、3Dの被写体としてあらゆる側面・角度から診る必要がある。遠隔医療の普及に伴い、大規模なリソースや複雑な機器を必要とせずに実体をレンダリングする本研究のような手法には、大きな可能性が秘められている」と語った。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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