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BCI技術加速の鍵となる「遠隔臨床試験」

「Brain-Computer Interface(BCI)」は、脳をコンピュータと繋ぐことで、能力の補助や拡張を狙うもの。2016年にイーロン・マスク氏がNeuralink社を設立し、BCIへの参入を明らかにしたことでも話題を呼んだ。特に医学領域では、ほぼ同義であるが「Brain-Machine Interface(BMI)」の研究が長らく続いており、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の意思疎通や、四肢欠損・麻痺患者の運動支援が中心的ターゲットとなってきた。近年は、脳埋め込み型BCIデバイスの開発が加速し、深層学習技術の向上と併せて、世界的に多数の臨床試験がみられるようになっている。

Blackrock Neurotech社は21日、ピッツバーグ大学リハビリ神経工学研究所(Pitt RNEL)との新しいパートナーシップ契約の締結を明らかにした。Blackrock Neurotechが資金提供するこの新しい共同研究では、一般家庭で動作する小型で合理化されたBCIシステムを開発するとともに、遠隔でのBCI研究を拡大するための基盤整備を狙う。遠隔および実地での研究協力者募集を拡大・改善するプロセスを構築し、大規模研究の実施を可能とする。

2000年代以降、埋め込み型BCIは、脊髄損傷やその他の神経障害を持つ人々にとって希望となる、著明な能力回復の可能性を示してきた。小型電子デバイスとハードウェア、機械学習ソフトウェアで構成されるこれらのBCIシステムは、脳信号を解読してデジタルコマンドに変換し、コンピューターカーソルやロボットアームなどの外部機器を操作する能力を提供する。Pitt RNELのMichael Boninger教授は「研究者と参加者の移動負担を軽減することで、より多くの参加者を対象とした試験が可能になる。さらに多様な、安全性と有効性に関するデータを収集することができるようになるだろう」と述べる。

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