米カリフォルニア州パロアルトに所在し、300万人以上が利用する世界最大の片頭痛トラッキングおよび研究プラットフォーム「Migraine Buddy」を運営するHealintは、ジュネーブ大学とのコラボレーションを9日公表した。新たな研究計画では、4.5万人の研究参加者を対象として100万件の疾患イベントを取り扱うことで、片頭痛緩和に向けた精密医療の確立を目指す。
同社の公表によると、初期の研究では、個人の特性に基づいて「ある分子が症状の軽減に最も役立つ時期」を予測することに焦点を当て、最終的にはユーザーの服薬歴やイベント履歴に基づいて薬剤を個別に推奨することを目指すという。本研究の次段階では、マルコフ連鎖を利用して片頭痛における症状進行をモデル化することを狙う。マルコフ連鎖は、起こりうる事象のシーケンスを記述する無記憶の確率過程で、片頭痛発作のメカニズムにおける未知性に対処するためのアプローチとして期待を寄せる。
Healintの目的は、片頭痛研究を通した理解促進により、疾病管理を改善することにある。同社CEOのFrançois Cadiou氏は「ジュネーブ大学との連携は素晴らしい機会だ。過去10年間、我々Healintは、患者コミュニティのために新しいタイプのデータを収集し、治療効果に関するコミュニケーションを改善し、QOLを向上させるために多面的に取り組んできた」と述べ、さらなる片頭痛治療の実質改善を追う姿勢を明らかにする。
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