米Weill Cornell Medicineの研究者らは、機械学習を用いて自閉スペクトラム症(ASD)の4つのサブタイプを特定した。研究成果は、Nature Neuroscienceに掲載されている。
研究チームは、ASDが数百に及ぶ多様な遺伝子と関連する「遺伝性の高い疾患」という見地に立ち、遺伝子発現データと神経画像データ、およびプロテオミクスを統合することで、ASDのサブグループにおけるリスクバリアントの相互作用を深く理解することに成功している。チームはASD行動の個人差を予測する「3つの潜在的な次元」を特定しており、これらに沿ったクラスタリングによって4つのASDサブグループを明らかにするに至った。
研究結果から、ASDの様々な病態の根底にある「非定型的な接続パターン」の存在が示されており、異なる分子シグナル伝達メカニズムが関与していることが判明したとする。今後研究チームは、これらの知見に基づき、各サブグループを標的とした治療法の可能性をマウスで検証していくという。
参照論文:
Molecular and network-level mechanisms explaining individual differences in autism spectrum disorder
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