フランス・パリに拠点を置くBrightHeartはこのほど、胎児の心臓疾患を検出する人工知能(AI)システムの開発のため、シードファイナンスとして200万ユーロ(約2.97億円)を調達したことを明らかにした。
同社のAI駆動型ソフトウェアは、2万件に及ぶ胎児検査データを用いて構築されている。胎児が持つ心臓疾患の初期兆候を検出し、医師の臨床的意思決定を支援するもの。BrightHeartは欧州を含む主要な地域において規制当局への申請準備を開始しており、欧州と米国では特許を申請している。世界保健機関(WHO)の推計によると、世界中で毎年24万人の新生児が心臓障害を含む先天性疾患で死亡し、さらに生後1カ月から5歳までの乳幼児でも17万人が死亡している。
BrightHeartはこの技術を「先天性心疾患のスクリーニングに革命をもたらし、子どもの生存確率を高めるための早期介入を可能にする」としている。実際、胎児心疾患の出生前診断は、新生児の予後を大幅に改善するエビデンスがあり、広く安価に利用可能で有効なスクリーニング手段の確立が求められてきた。
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