生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(Biologic Disease Modifying Anti-Rheumatic Drugs; bDMARDs)は、関節リウマチの活動性コントロールにおいて有効性が認められている一方で、持続的な反応が得られる患者はわずか50%と報告されている。リツキシマブは、抗CD20モノクローナル抗体薬であり、従来型合成抗リウマチ薬(csDMARDs)に反応が得られない患者にしばしば使用される。マケドニアの研究者らは、リツキシマブ治療後6ヶ月および1年時点の疾患活動性を、「Disease Activity Score 28; DAS28」を用いて予測する機械学習モデルを開発した。
Journal of Medical Artificial Intelligenceに発表された論文によると、本研究は2018年から2023年にかけて北マケドニアの大学でリツキシマブ治療を受けた関節リウマチ患者100名を対象に実施された。人口統計学的情報、臨床的特徴、検査値、FCGR3A遺伝子多型などを含む患者データセットが入力変数として用いられ、5種類の機械学習予測モデルがトレーニングされた。その結果、CatBoost回帰モデルが最も優れた性能を示し、一方で線形回帰モデルは最も低い性能であった。リツキシマブへの反応を予測する上で最も重要な因子は、性別、3ヶ月時点のDAS28スコア、抗CCP抗体およびRF抗体の血清陽性であった。また、6ヶ月目以降の検査値を組み込むことで、治療後1年時点のDAS28予測性能が向上し、適合率も改善した。
本研究はサンプルサイズが小さく、単一施設で実施されているため、結果の一般化可能性を高めるには、大規模かつ多様な集団を対象とした検証が必要である。さらに、研究者らは「今後は今回検証した各モデルの最良のパフォーマンスを活用し、アンサンブルモデルの構築も目指す」と述べている。
参照論文:
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