流産は妊娠の約15%に発生する重要な周産期合併症であり、その要因解明が課題となっている。研究チームは、腟および糞便マイクロバイオームとヒトパピローマウイルス(HPV)の関与に着目し、機械学習を用いた流産リスク予測モデルを構築した。スウェーデンの研究チームらが、npj Biofilms and Microbiomesに報告した。
本研究は、スウェーデン母体マイクロバイオームコホートを用い、流産症例34例と対照群を比較した。妊娠10〜19週に採取した腟および糞便サンプルに対し、DNAをランダムに断片化し網羅的に配列解析するショットガンシーケンスを実施し、問診データと統合解析を行った。その結果、非ワクチン型HPV感染や特定の腟内細菌叢が流産リスク上昇と関連し、マイクロバイオームや問診データを用いたモデルでAUROC最大85%の予測性能を示した。さらに、サポートベクターマシンやランダムフォレストなど6種の機械学習手法を比較し、腟データ単独でAUROC85%、糞便81%、問診82%、統合モデルで82%を達成した。統合モデルではClostridiaに属する腸内細菌が重要特徴量として抽出され、感度82%、特異度89%を示した。
今回の研究は、従来の単一指標では捉えにくかった流産リスクを、マイクロバイオームと機械学習により多面的に評価できる可能性を示唆する。一方で症例数の少なさなどの限界もあり、臨床応用には大規模コホートでの検証が必要とされる。今後は、リスク層別化や個別化医療への応用、さらにはプロバイオティクスなど介入研究への展開が期待される。
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