早期非小細胞肺癌(NSCLC)は高齢患者に多くみられ、定位放射線治療(SBRT)の適応判断には身体機能および予後予測の評価が求められる。しかし、従来の暦年齢のみでは生理学的脆弱性を十分に反映できないという課題がある。米国の研究チームは、顔写真からAIが推定する「見た目の年齢(顔年齢)」と、肺機能検査の結果から算出される「肺の機能的老化の程度(肺年齢)」を用い、これらの指標と全生存期間との関連を検討する後ろ向きコホート研究を実施し、その成果をJAMA Network Openに報告した。
本研究では、6施設でSBRTを受けた60歳以上のNSCLC患者670例を対象に、顔年齢および肺年齢と予後との関連を解析した。その結果、顔年齢は全生存期間および2年以内の死亡と有意に関連した。さらに、顔年齢が85歳以上の患者では早期死亡リスクが有意に増加していた。一方、暦年齢は多変量解析において有意な関連を示さなかった。肺年齢については予後との関連は限定的であったが、顔年齢との相関は極めて低く、両者が異なる生理学的側面を反映する指標であることが示唆された。
本研究について著者らは、「顔画像から推定される生物学的年齢は、SBRTを受けるNSCLC患者の全身状態および早期死亡リスクを反映する有用なバイオマーカーとなり得る」と述べている。一方で、顔の老化に影響を与える紫外線曝露などの外的要因は本研究で考慮されておらず、顔年齢の解釈に影響を及ぼす可能性がある。これらの点を踏まえ、顔年齢の予後予測指標としての有用性を確立するには、外的要因を含めたさらなる検証が必要である。
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