脳卒中の診断および治療は、梗塞のパターンや併存疾患によって複雑に異なり、個々の患者に対する治療の最適化が十分に行われていない可能性がある。中国の研究チームは、画像解析、脳卒中の病型分類、エビデンスに基づく治療推奨を統合した臨床意思決定支援システム(clinical decision support system;CDSS)を開発し、日常診療への導入を想定した形で実装・評価を行い、その成果をthe BMJに発表した。
研究チームは、中国の77施設において21,603例を対象としたクラスターランダム化比較試験を実施した。介入群(11,054例)では、深層学習を用いた頭部画像解析モデルによる病型分類を行い、さらにエビデンスに基づく治療推奨アルゴリズムを統合したCDSSを電子カルテ上に実装した。一方、対照群(10,549例)は通常診療を行った。主要評価項目は3か月以内の新規血管イベントの発生率であり、介入群で2.9%、対照群で3.9%であった。これにより、CDSS導入が有意なリスク低減をもたらすことが示された。
本研究は、AIを活用したCDSSが実臨床環境において患者アウトカムの改善を示した大規模ランダム化比較試験であり、CDSSの臨床実装の可能性を明らかにした。一方で、深部静脈血栓症予防や心房細動に対する抗凝固療法など、一部の重要な診療指標においては十分な改善が得られなかった。その背景には、医師の経験差や注意喚起の見落としなどが関与している可能性が示唆された。著者らは「これらの結果は今後の脳卒中診療の質向上における重要な課題である」と述べ、CDSSの機能強化および運用改善の必要性を指摘している。
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