皮膚疾患のAI診断は専門医に匹敵する(過去記事)という風潮が強くなり、実用化の動きが盛んになってきた。先月、国立台湾大学付属病院(NTUH)はスマートフォンアプリによる皮膚疾患のAI診断システム導入を発表した。
Focus Taiwanの報道によると、同大学病院の皮膚科で導入されたシステムでは、診断の難しい5つの皮膚疾患(基底細胞癌・悪性黒色腫・扁平上皮癌・母斑・脂漏性角化症)をAIで識別するという。病変の写真はスマートフォンアプリからシステム上へ簡単にアップロードでき、AIによる診断精度は試験段階で90%を達成した。「診断精度をさらに向上させ、不必要な皮膚生検を回避するのがひとつの目標である」と同皮膚科の医師は語っている。
皮膚疾患は見た目による診断を基本としているが、生検を避けるのが難しい疾患もある。患者にできるだけ傷をつけない「非侵襲性」は先進医療のキーワードであり、AIによって達成しようとするアプローチが増えてきた。また、同大学病院はAIによる医療を、臨床意志決定支援システム(CDSS)と位置づけて、IT企業との協力を進めている。