ドイツ・ベルリンで9月6日から世界最大級のエレクトロニクス製品見本市「IFA 2019」が開催される。世界各国のスタートアップが集う特設エリア「IFA NEXT」には、日本から20社が出展する。
米メディアForbesでは、日本らしい優しさが組み込まれたマシンインターフェースを出展する2社が紹介されている。Langualess社による愛犬の心の状態を色で示す犬用ウェアラブルデバイス「INUPATHY(イヌパシー)」、もうひとつは音声から感情を解析するAI「Empath」である。
INUPATHYは、愛犬に着せられたハーネス型装置が心拍変動解析(HRV)を行い、リラックス・ドキドキ・ハッピー・興味・ストレスという5種類の感情を色で示す。蓄積されたデータは犬の健康管理の役割も果たす。ペットと心を通わせるための優しさに溢れたユニークな製品であるが、そのHRVなどの方向性はヒトにおけるウェアラブルデバイスの大本命Apple Watchに通じるところも感じられる(過去記事)。
Empathは音声から喜怒哀楽や気分の浮き沈みを判定するAIで、喜び・平常・怒り・悲しみの4つの感情と快活の度合いを解析して色で示す。企業と連携し従業員のストレス軽減や労働効率向上に取り組んだ事例が紹介されている。このように音声から精神状態を診断するアルゴリズムは医療AIのひとつのトレンドである(過去記事)。
コミュニケーションにおける調和と共感を善とする日本的発想。そこから生み出された製品たちは、量よりも質で海外の人々の心を捉えるだろうか。IFA 2019は9月11日までの開催予定である。