いわゆる”last-mile”(物流の最終区間)は、配送の効率化を阻害する要因となりやすい。僻地など交通網の発達が十分でないエリアにおいては、last-mileが医薬品供給の深刻な問題となってきた。近年、ドローンを活用した新しい医薬品配送システムの構築を目指す地域がある。
Modern Diplomacyが報じたところによると、インドのテランガーナ州政府は、地域コミュニティの医療アクセス向上のため、ドローンを利用した医薬品配送システム構築を模索してきたという。拠点からのlast-mile配送にドローンを利用する大規模プログラムの実施を予定しており、配送されるのは医薬品だけでなく、血液や医療サンプルも含まれる。インドの病院チェーンで知られるApollo Hospitals Groupが、世界経済フォーラムと共同で開発したフレームワークを採用しており、本プログラムはドローン配送におけるパイロットプロジェクトとしての役割も果たすとみられる。
情報技術担当大臣であるK.T. Rama Rao氏は「テランガーナは、市民の生活改善を目指した技術利用に関しては、常にパイオニアであり続けた。ドローンを利用し、僻地など交通アクセスが不良なエリアに医薬品を届けることは、社会的にも極めて善と言える技術利用プロジェクトだ」としている。