香港拠点のAI創薬スタートアップ Insilico Medicine(過去記事参照)は、新型コロナウイルスを治療ターゲットとして動作する可能性のある分子化合物を無料公開している。薬学者からのフィードバックを求め、パートナー機関との合成テストを目指すという。
アジアのスタートアップ関連メディアTech in Asiaでは、Insilico Medicineが得意とするAI創薬技術によって新型コロナウイルス治療を目的とした分子化合物が設計・公開された経緯を報じている。効果的なワクチン開発まで少なくとも1年程度、治療薬開発にはさらに時間がかかる可能性がある。同社の技術は治療薬開発期間の短縮に貢献できるだろうか。
Insilicoの共同創設者でCEOであるAlex Zhavoronkov氏は「短期的には、HIVなど他疾患用に開発された既存の化合物・薬品の再利用が、安全性が分かるため正しい戦略と言えるでしょう。しかし、他疾患向けに設計された薬剤は、最も理想的ではないかもしれません。私たちは長期的にその先を見据えた、ウイルス専用の分子化合物を目指しています」と語った。