研究者向けAIプラットフォームで知られるOwkinは、Mubadala CapitalやBpifranceなどから新たに1800万ドルの資金を調達したことを公表した。患者情報をローカル施設内に留めたままグローバルデータセットを構築できる同プラットフォームでは、多彩な研究コラボレーションが実施可能となり、新たな「医学研究エコシステム」の構築に大きな期待が集まっている。
Owkinの公表によると、今回の資金調達は本年5月に行われた2500万ドルの調達に続くもので、これによって2016年創業の同社は計7300万ドルを得たこととなる。追加資金は導入地域の拡張に主として充てられ、ドイツなどEUの一部地域や中東各国を主要なターゲットとしている。現在新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、関連した多数の臨床研究も同プラットフォームを活用して進められている。
一例として、ポルトガル・フランス・スペイン・オランダといった国々において、新型コロナウイルス感染症患者が重篤化するか否かを、CT画像から予測するモデルの構築を目指すものなどがある。Owkinは現在、製薬企業による技術利用やデータアクセスを有償で進める一方、アカデミアやそれに準ずる医学研究機関に対してはサービスを無償で提供している。