医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療AIがもたらす影響・問題点米2大放射線学会「自律型AIの実装ストップ」を連邦政府に要請

米2大放射線学会「自律型AIの実装ストップ」を連邦政府に要請

米国の2大放射線学会である米国放射線学会(ACR)と北米放射線学会(RSNA)は共同し、「自律的に動作するAIアルゴリズムの追求を慎むよう」連邦政府に求めている。

Radiology Businessが1日報じたところによると、2団体の連名で米食品医薬品局(FDA)に火曜日送られた書簡の中で、現在のFDA体制とチェックシステムにおいては「自律型AIによる画像解析技術を正しく評価し、監視することができない」ことを指摘したという。この種のアルゴリズムを追求するのであれば、置き換え対象となる医師と同等の効果・安全性があることを一般市民に対して保証する必要があり、現時点での実装は極めて時期尚早である点を強調する。

ただし、これらの団体は「AI利用自体は有効」と捉えており、特に診断のない潜在的な慢性疾患の検出と管理に役立てることは、集団の健康管理に非常に有効と評している。また、将来的に適切な手順さえ怠らなければ「自律型AIを放射線治療に導入することさえ価値がある」ことも付記している。

TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事