Google Healthはこのほど、放射線治療の計画プロセスを加速し、がん治療の効率化に資するAI開発を睨んだ新しい研究パートナーシップを公表した。Googleはアカデミア・ヘルスケアプロバイダーなどとの連携を加速させており、医療AIマーケットにおいてもトップリーダーを目指す。
Googleが先週明らかにしたところによると、米国における先端医療を牽引するメイヨークリニックとの研究パートナーシップを締結し、放射線科専門医が個別に立案する放射線治療計画をAIにサポートさせ、放射線治療の効率化を通した「がん治療計画全体の最適化」を狙う。メイヨークリニックは放射線腫瘍医によるがん治療に関しても国際的な研究拠点として知られており、Googleの卓越したAI技術との統合によって画期的な研究成果がもたらされることが期待される。
Googleと英国University College London病院とのコラボレーションでも、頭頸部がんの画像セグメンテーションにおいて革新的成果を導くなど(参考論文)、同社は積極的な研究連携によってマーケットにおける価値を高めてきた。悪性腫瘍は世界で毎年1800万を超える新規症例が報告され、米国ではその半分以上に放射線治療が適用されるなど、現代がん治療における標準治療の一つとして大きな役割を持つ。したがって、今回のパートナーシップに伴う潜在的な研究インパクトも十分に多大であることに疑いの余地はない。