ポーランド最大の民間ヘルスケアプロバイダーの1つ、PZU Zdrowieは、医療AIスタートアップであるInfermedicaの提供するAIトリアージプラットフォームを活用している。患者初期対応の自動化・合理化に貢献するこのシステムにより、2019年では実に240万件の患者問い合わせを処理した実績を持つ。
Infermedicaはポーランドに本拠を置くスタートアップで、AIを活用した予備診断とトリアージのためのプラットフォームを提供しており、これまで1500万ドルの資金を調達して研究開発を進めてきた。同領域にはAda HealthやBabylon、Healthilyといった多数の強力な競合が立ち並ぶが、保険会社や遠隔診療のプロバイダー、各種医療システムと協調した堅実な展開を示す。またInfermedicaは「APIファースト」を謳い、同社の高精度なAIトリアージコンポーネントは他のチャットボットや患者ポータル、電子カルテシステムなど種々の既存プラットフォームと容易に統合することができる。
Infermedicaは、そのテクノロジーをB2Bクライアントにライセンス供与することで収益を上げるビジネスモデルを取っており、SaaSではAPIが呼び出された回数に基づく課金が行われる。COVID-19の拡大下においてさらに需要の高まる同社システムは、不要な対面診療を回避させることで、医療の効率化・適正化に資することが強く期待されている。