医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例最新医療AI研究Annalise CXR - 124もの所見を捉える包括的画像解析AIシステム

Annalise CXR – 124もの所見を捉える包括的画像解析AIシステム

annalise.aiが提供するAnnalise CXRは、広範な診断をカバーする意思決定支援ツールであり、124にも及ぶ胸部レントゲン画像の異常所見を検出することができる。Annalise CXRは欧州CEマークを取得済みで、現在オーストラリア・ニュージーランド・マレーシアでの実臨床利用が進んでいる。

同社のAIシステムを活用した最新の研究成果がこのほど、The Lancet Digital Healthからオープンアクセス論文として公開された。放射線科医が当該AIシステムを利用することで診断精度が向上するかを検証したもので、モデルが識別を行った124の臨床所見のうち、実に117(94%)については専門医より高い精度を示した。さらにAIシステムを活用することで、80%の所見については放射線科医単独の識別精度を有意に改善し、残り20%の大半にも精度低下をきたす結果は得られなかった。

あらゆる診療科において医療画像が急速な増加をみるなか、これを読影する放射線科医の増加は世界的に十分でない。ここに画像診断系AIの巨大な伸び代がある。Annalise CXRは既存のワークフローにシームレスに統合されることを目指し、胸部レントゲン画像上の異常影を強調表示することで医師の注意を促す方式を採用する。バックログのリスクを減らすリアルタイム解析システムは、臨床医にとって「第3の眼」ともなる重要な役割を担う。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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