韓国Lunit – KRX上場への足取り

ソフトバンクも出資する韓国の医療AIスタートアップであるLunitは、胸部レントゲンやマンモグラフィの診断支援AI開発などに強力な実績を持つ。近年はGE HealthcareやPhilipsをはじめ、大手ベンダーとの提携を積極的に進めることで国際展開を加速させている(過去記事)。

米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会がこのほど開催され、Lunitは4つの臨床試験結果を公表した。その直後、14日に規制当局の技術評価に合格したことが報じられ、韓国取引所(KRX)を介した新規株式公開(IPO)に大きく近付いた現状が明らかにされている。KRXは技術例外ポリシーにより、特に優れた技術を持つ企業はIPOまでのプロセスを簡略化できる。これには、KRXが指定する2つの機関から少なくとも「A」および「BBB」の評価を取得する必要があるが、Lunitは2つの技術評価機関からいずれも「AA」を取得したという。

Lunitはこれを受け、下半期に上場に向けた事前審査を申請する予定。Korea Biomedical Reviewの取材に対し、Lunit CEOのSuh Beom-seok氏は「我々のAI技術が認められたことを嬉しく思う。がんの効果的な診断と治療の新しいスタンダードを確立するため、研究開発と事業を拡大し続けたい」と話している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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