Facebookは、ニューヨーク大学医学部と連携し、AIを活用することで従来の10倍まで高速な撮像を可能とするMRI撮影技術の開発に取り組んでいる。これが実現すれば、長い撮影時間というMRIの臨床上の最大のデメリットを解消することとなり、日常診療への普及と診断水準の向上が期待できる。
英メディアInternet of Business (IoB)の報道によると、この新しいアプローチでは、従来のフルスキャンを行わず、取得データ量を少なくすることで、撮影時間を大幅に短縮するというもの。AIを活用することで、イメージの構築に必要なデータを補うことになる。Facebookは、「ニューラルネットワークが、正確性を損なわずにスキャンデータを効率的に補完できるはずだ」としている。
MRIは、CT画像や単純レントゲン写真などと異なり、撮影に際して被曝を伴うことがなく、低侵襲で高い解像度を持つ医用画像として利用されている。一方で、15~30分以上に及ぶ撮影時間は大きな障壁となっており、限定的な利用に留まってきた。Facebookは「この技術を通し、MRIを多くの患者が一般的に利用できるデバイスとしたい」としている。