Appleは、人工関節トップメーカーの米ジンマー・バイオメットと共同し、人工関節置換手術を受ける患者に関する新しい臨床研究を開始すると発表した。研究では、Apple WatchおよびiPhone用に開発されたアプリを通じ、患者の生体情報を含む医療データを医師に自動送信し、患者アウトカムが改善するかを評価する。
英メディアMedical Device Networkによると、アプリは患者からの言語的なフィードバックだけでなく、Apple Watchによって取得した手術前後のアクティビティログと統合・解析することで、現在の標準治療に新たなアプローチを加えることを目指しているという。ジンマー・バイオメットCEOのBryan Hanson氏は、「現在の治療法選択を改善したい。整形外科領域の歴史上、最大級の臨床研究を我々が開始できることが楽しみだ」としている。
近年、医療水準の向上と高齢化の両面により、人工関節置換手術は極めて一般的な手術となっている。手術後は積極的な活動の推奨によって、治癒の促進と全身状態の改善を図るが、患者本人には必要活動量を判断しづらいことも多い。米TechCrunchの報道では、遠隔医療部門Ted Spooner氏のコメントとして「適切な患者指導だけでなく、患者本位の治療を実現できる」との期待を示している。