スペイン バレンシア工科大学の研究チームは、AI技術を利用し、聴覚障害者向けのリアルタイム文字起こしシステムを開発した。このシステムを利用することで、講演会や会議など、音声情報が最も重要となるシチュエーションにおいても、聴覚障害者が積極的に関わることができるようになる。
英ニュースメディアScitech Europaの報道によると、このシステムでは、スマートフォンを通して入力された音声データをサーバー上でAIが解析し、画面上にリアルタイムの字幕として出力するものだという。精度は非常に高く、人間による文字起こしと比較しても97%の正確さを実現している。現在はスペイン語・バレンシア語・英語が利用できるが、今後は他言語への応用も進めていくという。
スペインには6歳以上の聴覚障害者が数百万人規模でいるとされ、世代人口での試算では8%にも相当するため、聴覚障害者対策は喫緊の社会的課題となっている。MedicalXpressの報道では、まずはバレンシア工科大学内への配備を進め、2019年中に全ての講堂や教室に同システムを配備し、講義中はスクリーン上に字幕表記がなされるようにする予定だという。