米国・アイルランド・スコットランドの国際研究チームは、AI技術を利用し、医師と患者間のコミュニケーションを改善するシステムを開発し、英医学誌BMJにて公表した。このAIシステムでは、医療現場における患者との会話から、医師のコミュニケーションスキルを評価し、具体的な改善方法を提示することができる。
Market Business Newsの報道によると、このAIシステムは、言葉の選び方や表現方法、会話時間、声のトーンなどを解析することで、医療従事者・患者の両サイドがストレスなく理解を共有できるよう、改善点を明確に示すことができるという。研究を率いたGlyn Elwyn教授は、「臨床医の多くが、教育の場においても臨床現場においてもコミュニケーションスキルを正しく評価されることはなかった」とし、医師と患者の良質な関係の構築に果たす、新しいシステムの役割の大きさを強調している。
旧来、日本においても医師のパターナリズムが問題となり、医学部教育において患者への誠意ある説明と敬意、配慮を徹底する指導が続いているが、定式化された評価は行われていない。米ScienceDailyは、複雑な要素を多数はらむ医療コミュニケーションに、AIが活用されることへの驚きを報じるとともに、「今後いっそう、同分野においてAIシステムの実応用が進むだろう」という研究者たちの見解を明らかにしている。