医師と患者の医療コミュニケーションの良し悪しは、治療のクオリティーに直結する。そしてAI技術を使うことで、コミュニケーションがさらにスムーズになるかもしれない。AIは、(1)患者の健康状態の情報をオープンにすること、(2)医師がプレッシャーを感じている場面があれば、それを検出すること、(3)医師に本来必要のない検査をさせないこと、という3つの分野において、役に立つ可能性がある。
米メディアBecker’s Hospital Reviewによると、ニュージャージー州レバノンのダートマス健康政策・臨床診療所では、患者と医療提供者の間のコミュニケーションを改善させる研究を行っているという。関係者は「患者とのコミュニケーションスキルに関しては、学校でも習わず、臨床医の現場でも正式に評価されているとは言えない。事実、臨床医が患者との意思疎通に困っているというデータもある」と語る。
AI技術を使うことにより、患者とのコミュニケーションに関して、医師に個別にフィードバックすることが可能となる。米電子メディアMBNが報じたところでは、AIがまず単語やフレーズを記録し、医師と患者がどれほど理解し合っているかを確認する。そして両者のトーンや話し方を分析することで、臨床医のストレスポイントを検出したり、患者の身体的および精神的健康を可視化できるのだという。ヘルスケア産業において、AI活用の新たな使われ方が、いま注目されている。