2001年の炭疽菌によるバイオテロ以降、米国では政府主導による様々な対策が行われてきた。2019年米国微生物学会主催のバイオテロ対策会議では、危険なDNAコーディングを持つ感染性の微生物をAI技術によって検出・特定する取り組みなどが発表された。
Natureの記事によると、バージニア大学のチームは、既存の微生物データから機械学習を利用することで、改変された未知の微生物がどういった由来を持つかを推定することに成功したという。またオハイオ州のBattelle社が開発したアルゴリズムの例では、危険性の高い微生物に共通するDNAセクションの特定を実現しようとしている。
DNAエンジニアリングの低価格化で、貧者の核兵器と呼ばれる生物兵器とバイオテロの脅威は増したといわれる。英ガーディアン紙の記者が、バイオテロに適する候補のひとつ天然痘ウイルスのDNAサンプルをオンライン注文で入手した一件は、教訓として語られ続けている。米国政府は企業のDNA合成に対する規制を強化し、AIによるバイオテロ予防の取り組みを支援している。