AIによるバイオテロ予防の取り組み

Photo by iStock

2001年の炭疽菌によるバイオテロ以降、米国では政府主導による様々な対策が行われてきた。2019年米国微生物学会主催のバイオテロ対策会議では、危険なDNAコーディングを持つ感染性の微生物をAI技術によって検出・特定する取り組みなどが発表された。

Natureの記事によると、バージニア大学のチームは、既存の微生物データから機械学習を利用することで、改変された未知の微生物がどういった由来を持つかを推定することに成功したという。またオハイオ州のBattelle社が開発したアルゴリズムの例では、危険性の高い微生物に共通するDNAセクションの特定を実現しようとしている。

DNAエンジニアリングの低価格化で、貧者の核兵器と呼ばれる生物兵器とバイオテロの脅威は増したといわれる。英ガーディアン紙の記者が、バイオテロに適する候補のひとつ天然痘ウイルスのDNAサンプルをオンライン注文で入手した一件は、教訓として語られ続けている。米国政府は企業のDNA合成に対する規制を強化し、AIによるバイオテロ予防の取り組みを支援している。

前の記事英リーズ大学 AI医学研究者の養成を重点化
次の記事Amazonが目指す医療AIのあり方
TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。