欧州のヘルスケアAI開発を先導する英国

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ヘルスケア領域におけるAI開発は、米国と中国が2大巨頭と言って間違いないが、欧州における覇権は英国が握って離さないようだ。英国は政府主導のヘルスケアAIセンターを多数設立するなど、積極的な国家戦略をみせる一方、関連スタートアップなど民間からの動きも英国内で大きくなっている。

Evening Standardの報道によると、欧州で設立されたヘルスケアAIスタートアップの実に3分の1が英国発であるという。英MMC VenturesのDavid Kelnar氏は「70年代に比べ、GDPに占める医療費の割合は2倍となった。ステークホルダーはAIイノベーションによる事態の改善を望んでいる」とし、切迫した社会経済的な背景があることを指摘する。

日本と同じく国民皆保険を達成している英国においても、急速な高齢化の進展に伴う医療費高騰は切実な問題となっている。ヘルスケアにおけるAIの浸透は、診断の効率化などを通した医療経済への好影響が期待できる。日本が今後学ぶべきスタイルが、あるいは欧州のこの島嶼国にあるのかもしれない。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。