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外傷患者のアルコール乱用をカルテから自動識別するAI技術

アルコール乱用が社会問題であるアメリカでは、外傷患者の1/3でその乱用が背景にあるといわれる。診察時に飲酒状態が不明の潜在的な乱用患者を拾いあげることで、外傷の再発防止と飲酒運転の減少などが期待できる。カルテからAIがアルコール乱用患者を自動識別する技術を紹介する。

米メディアEurekAlertによると、ロヨラ大学のグループは、アルコール乱用を予測する16の要素、中毒・ネグレクト・問題行動・性的活動・マリファナ・ビタミンB1(アルコール依存症患者の欠乏症治療を反映)などを電子カルテ記録から解析し、自然言語処理が可能な機械学習アルゴリズムを開発した。このAIはアルコール乱用が基礎にある外傷患者を78%の正確性で識別できたと報告している。

米学術誌JAMIAに掲載された論文では、現在のアルコール使用障害スクリーニング(AUDIT)の問題点も指摘している。アルコールに関する質問に患者が誠実に回答しない場合、そもそも回答できない状態にある場合、テストを行うスタッフの負担が大きい事実、などが挙げられている。研究グループの医師は「スクリーニングテスト自体が医療システムに多大なコスト負担を課している。アルゴリズムは無償公開予定で、アルコール乱用患者への一連の取り組み(SBIRT)など現場での活用を期待する」としている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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