ハーバード大学を中心とした研究チームは、脊椎すべり症の手術を受けた患者がどのような退院先となるか、機械学習を用いた予測アルゴリズムを開発した。研究成果は3月27日、学術誌European Spine Journalにて公開された。
同チームの研究論文によると、大規模な患者データベース(The National Surgical Quality Improvement Program)を利用し、2009年から2016年までの間に脊椎すべり症に対して外科的手術を受けた患者のデータから、高精度な機械学習アルゴリズムを構築したという。アルゴリズムが予測を行うのは、自宅退院かそれ以外かで、非自宅退院にはリハビリ施設や介護施設などが含まれるとのこと。
脊椎すべり症は、壮年期以降に椎間板が変性することによって引き起こされることが多い。手術後の自宅退院が不可能となる症例では、社会福祉的な対応が欠かせず、退院先調整が難航するケースも少なくない。事前に退院後リスクまでを考慮した治療計画を立てることは、医療者・患者双方にとっての大きなメリットとなる。著者らは、今後他疾患についても同種の研究が加速することを指摘している。