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甲状腺のエコー診断で放射線科医を上回る能力を示すAI技術

甲状腺は体表に近い頸部の臓器で、エコー(超音波)検査が重用される領域である。検査の非侵襲性によるメリットと診断精度のバラつきによる課題は、以前に心臓エコーでも紹介した(過去記事)。中国発の以下2編のAIによるエコー診断技術は、いずれも診断医単独の精度を上回る成果を示している。

米メディアHealioでは、済南大学医院のグループがエコーによる甲状腺結節の悪性診断に機械学習(Random forest)を応用し、診断医単独よりも精度を向上させたと紹介している。また、青島大学医学院附属医院のグループが学術誌World Journal of Surgical Oncologyに発表した論文では、甲状腺エコーに深層学習(YOLOv2)による自動画像認識を組み込んでいる。甲状腺がんのAIによる自律診断が、感度・陽性適中率・陰性適中率・正確度で診断医に劣らず、特異度では上回ったという。

エコー診断でのAI技術は、心臓・甲状腺・乳腺など各領域で十分な成果をあげつつある。次の段階では、領域を選ばない総合的な診断能力を組み込まれたエコー機器が、医療現場で実用化されてゆくことになる。NVIDIA社のGPUクラウドのようなソフトウェアが競合し、覇権争いが続けられるだろう。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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