先週土曜、上海市は中国で2番目となる「AI開発試験区」の設置を公表した。これは次世代AI開発の主導権掌握を目指す積極的な国家政策のひとつと考えられ、同地域では医療AI・スマート交通システム・スマートコミュニティの3分野への特化を目指す。
中国メディア・CGTNの報道によると、上海はAI開発試験区の設置を通し、技術開発レベルの向上だけでなく、AIをめぐる法規制の整備や倫理規範の設定までも視野に入れているという。上海科学技術委員会のGan Pin副ディレクターは「得られた成果は国民の生活を大きく変え、全国的なAI開発にとっても多大な貢献となる」と述べ、国内AI開発の先導的立場となろうとする姿勢を隠さない。
中国はAI開発を21世紀初頭の最重要分野と捉えており、数々の国策による当該分野への重点投資が行われてきた。また、潤沢な研究資金と卓越した研究成果で知られる「Microsoft Research」のアジア拠点が上海に設置されるなど、既に主要企業群の進展も加速度的に進んでいる。同施設にはAI Innovation Centerが併設されており、研究者数を含む施設規模はAI関連研究所として世界最大級となった。