中国 上海にAI開発試験区を設置

先週土曜、上海市は中国で2番目となる「AI開発試験区」の設置を公表した。これは次世代AI開発の主導権掌握を目指す積極的な国家政策のひとつと考えられ、同地域では医療AI・スマート交通システム・スマートコミュニティの3分野への特化を目指す。

中国メディア・CGTNの報道によると、上海はAI開発試験区の設置を通し、技術開発レベルの向上だけでなく、AIをめぐる法規制の整備や倫理規範の設定までも視野に入れているという。上海科学技術委員会のGan Pin副ディレクターは「得られた成果は国民の生活を大きく変え、全国的なAI開発にとっても多大な貢献となる」と述べ、国内AI開発の先導的立場となろうとする姿勢を隠さない。

中国はAI開発を21世紀初頭の最重要分野と捉えており、数々の国策による当該分野への重点投資が行われてきた。また、潤沢な研究資金と卓越した研究成果で知られる「Microsoft Research」のアジア拠点が上海に設置されるなど、既に主要企業群の進展も加速度的に進んでいる。同施設にはAI Innovation Centerが併設されており、研究者数を含む施設規模はAI関連研究所として世界最大級となった。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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