医療関係者による病院内からの医薬品の窃盗は、転売・乱用など目的は様々だが少なからず発生する。しかもその一部には発覚しないものや報告されない潜在的なケースが一定数あり、持ち出された医薬品から重大な事件につながることもある。これまで見つけにくかった医薬品窃盗を、機械学習によって効果的に追跡・検出するソフトウェアを紹介する。
AI in Healthcareの報道によると、米国Invisitics社の医薬品在庫管理システムは機械学習を応用し、窃盗のリスクが高い医療関係者の行動パターンにフラグを立てて検出するという。アメリカ麻薬取締局(DEA)に準拠した初めてのソフトウェアであり、アメリカ国立衛生研究所(NIH)によってサポートされ、あらゆる電子カルテや自動調剤システムと連動するとのことである。
Invistics社のプレスリリースで、CEOのTom Knight氏は「医療関係者の約10%が医薬品を盗み、その多くは報告されていない」と語っている。システムの真の陽性率は90%を超えると同社は発表しており、従来では検出が難しかった医薬品の盗難を追跡し、今後も多くのシステムと連携することでさらにデータを集積して精度を高めるとしている。