米ミシガン大学の研究チームは、自然言語処理の可能な機械学習アルゴリズムを利用し、長期療養施設への転居や居住、転出などに関連した高齢者の自殺者数を調査した。研究成果は、医学ジャーナルJAMA Network Openにて公開されている。
研究チームの論文によると、National Violent Death Reporting System(NVDRS)に13州で13年間に渡って集積された死亡データをもとに、機械学習アルゴリズムによって「長期療養施設に関連した自殺」の抽出を行ったという。55歳以上高齢者では1037件を同定し、これは施設コード単独を利用した従来の推計が過小評価していた可能性も示しているとのこと。
NVDRSは、自殺を含む暴力死の現状を評価し、防止策の立案を行うために2003年からCDCが開始したシステム。正確な現状分析にはデータ解析の観点から難があったが、自然言語処理および機械学習技術が有効利用できる余地が示されたことにもなり、今後の利用促進が期待されている。