子どもの体調不良において、病院受診のタイミングは非常に難しく、子を持つ親の共通の悩みと言える。ポーランドのStethoMe社は、聴診器型デバイスを使うことで子どもの肺音を家庭で記録でき、独自AIアルゴリズムが呼吸器疾患とその重症度を識別する画期的なシステムを開発している。
Medgadgetが報じたところによると、同社のシステムでは、家庭で録音された肺音データをかかりつけの小児科医とリアルタイムで共有することができるという。医師は肺音データとアルゴリズムによる解析結果を参考にして、患児が一般外来受診をすべきか、救急外来受診をすべきか、あるいは家庭で様子をみることができるのかを判断する。
日本においても時間外を含め、過剰な外来受診はしばしば問題となる。一方で受診判断の拠り所は、その大半を一般感覚とインターネットによる情報に依存しており、受診前に適切な医学的アドバイスを得られる状況は限られている。患者・医療者双方に利益を与え、医療資源の効率運用と小児健康増進の両立を目指す同技術の今後には、各方面から大きな期待が集まっている。