米国において急進する遠隔医療とその格差

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米国遠隔医療協会(American Telemedicine Association)は、その最新報告のなかで、2017年以降米国における遠隔医療は急速に普及していることを明らかにした。一方で州間格差は明確となり、決定的に出遅れる地域も浮き彫りとなっている。

Healthcare IT Newsが報じたところによると、同協会による報告では、多くの州が遠隔医療の有益性を理解し、利用促進を見据えた法整備を進めているという。同協会CEOのAnn Mond Johnson氏は「連邦政府レベルでの遠隔医療への理解と普及努力が、州単位での実際的な動きにつながっている」と述べる。一方で、地域全体に遠隔医療体制を構築するために必要なリソースや先導する人材の不足が明確な州もあり、その州間格差は拡大に向かっている。

遠隔医療実現への取り組みは、医療の効率化と高度医療の均質提供の観点から、大きな期待をもって受け止められてきた。医療における地域間格差の是正に主たる使命をもつ同技術が、その導入においても明らかな格差を持つことは逆説的な事実とも言える。ただし、AIをはじめとした先端技術と高品質な医療データベース構築、5Gなどの次世代高速通信規格の発達などを背景に、遠隔医療急進の波は確実に押し寄せている。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。