英国では国民保健サービス(NHS)の協力のもと、Alexaから医療情報を提供するサービスを開始する。偏頭痛への対応から水痘の症状まで、家庭における気軽な健康アドバイザーが実現することになる。しかし一方、このAmazonと国営事業との連携には、個人情報の取り扱いを巡る危険性を指摘する声もあがっている。
Los Angeles Timesのコラムでは、今回の連携と新サービスに際してAmazonが大量の個人健康情報を収集する可能性を指摘している。Amazonはこの連携によって、金銭的授受のないことを明らかにしているが、NHSは6600万人を超える英国民が利用する国営保健サービスであり、連携の先に見据える新しいビジネスチャンスは決して小さくない。Amazonのスポークスマンは、全ての情報が極めて厳格に取り扱われること、取得情報を第三者に提供しないこと、健康情報に基づく商品販売やリコメンドを行わないこと、などを明確にしている。
健康関連情報は極めて高度な個人情報にあたり、一企業の良心にその取り扱いを委ねることの危険性は常にある。新サービスの有効性には、医療関係者を含め多くが期待を寄せる一方、情報管理の適切性については第三者機関による継続的な調査が欠かせないだろう。