ブラジル・サンパウロ大学の研究チームは、高齢者の死亡を予測する機械学習モデルを構築した。治療方針の決定など、医師の重要な医学的判断の助けとなる可能性が示唆されている。
7月29日に公開されたチームの研究論文によると、ブラジル・サンパウロに居住する高齢市民の研究データベース(the Health, Well-Being, and Aging Study)を利用し、アルゴリズムの構築を行ったという。2808名の高齢者のうち、423名が初期5年間に死亡しており、37の健康関連因子・社会経済的因子・基本特性などからこの死亡を予測する機械学習モデルを導いた。いずれのモデルにおいてもAUC 0.7を超える高い精度を示したが、LASSO回帰因子によるペナルティを加えたニューラルネットワークが最も高精度であったとのこと。
ヘルスケアにおけるAIの進展に伴い、自動リスク算定や自動診断モデルは大きな注目を集めている。これらは電子カルテとの親和性が高く、医師の自覚有無に関わらず、患者の将来的な病態変化や疾患発症を警告することができる。医学的判断を支えるサポートシステムとして、技術発達への期待は非常に大きい。