米バージニア工科大学の研究チームは、医療ミス・ニアミスの発生に関する報告書データベースにおいて、非構造化データを分析し、医療過誤の発生パターンを特定するAIアルゴリズムの開発に取り組んでいる。本研究は、米国立衛生研究所(NIH)から3年間で約82万ドルの助成を受ける。
Science & Enterpriseが13日報じたところによると、研究チームは報告書データベースに対する自然言語処理と統計モデルによるマイニングを通して、医療過誤の発生場所やパターンの特定を図るという。報告書データベースには通常、容易に定量分析の可能な構造化データとともに、自由記述の非構造化データが含まれている。非構造化データは情報量が多く、医療過誤の背景を示す多くのストーリーが収められているが、定量的評価の難しさから参考情報として取り扱われることが多かった。研究を率いるSrijan Sengupta教授は「一見臨床現場で起こる稀な事象に見えるかもしれない。こういったものを自由記述から効果的に分析することで、ケアプロセスの潜在的な弱点を明らかにすることができる」としている。
医療過誤のレポートデータベースから傾向を捉え、現場に還元することは、直接的にケアの安全性と品質向上に寄与する。英カーディフ大学の研究チームが同等の先行研究を持っており、本メディアでも過去に紹介しているので参照頂きたい(過去記事)。