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英Ultromics 心エコーのAI解析システムでFDA認証を取得

オックスフォード大学の研究チームが中心となり、2017年に設立されたスタートアップUltromicsはこのほど、同社の心エコー解析システムで米食品医薬品局(FDA)の510(k)認証を取得した。

UltromicsのEchoGo Coreは、AIによる心エコー画像の解析システムで、超音波による心臓スキャンの高精度分析と定量評価を実現する。心エコーは技術的に難度が高く、循環器を専門としない医師にとっての施行・評価は容易ではなかった。心エコーの実施プロセスを自動化し、AIサポートによる心エコーの効率的で正確な評価を実現することは、特に専門外の医師にとって大きな助けとなる。同社のプラットフォームはベンダーに依存せず、既存の医療用画像システムに統合できるため、日常臨床における診断ワークフローへのスムーズな取り込みが可能となる。

EchoGo Coreでは、心筋の変形にあたる「ストレイン」およびその変形率である「ストレインレート」を自動解析する。NS Medical Devicesの報道で、Ultromics CEOのRoss Upton氏は「今回の認証は医療の未来に向けた非常に刺激的なステップだ。ストレインは心血管疾患の評価に重要だが、我々はストレイン分析にAIを利用する最初の企業と言える」と、同社の高い技術に大きな自信を示す。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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