歯科CTのアーチファクトを除去するAI技術

重要な画像検査の一つであるcomputed tomography(CT)は、歯科診療においても大きな役割を果たしている。一方、歯科治療で頻用される金属などの高吸収物体は、画像上に散乱線やノイズなどの「アーチファクト」を生み、適切な診断・評価の妨げとなる。中国・精華大学の研究チームは、このようなメタルアーチファクトを低減する深層学習技術を開発した。

学術誌Medical Physicsにて先週公開されたチームの研究論文によると、線形補間
によって構築した再構成画像データに深層学習を適用したという。アルゴリズムは正確なCT画像構築を実現しており、アーチファクトをほぼ存在しない水準にまで低減させることに成功したとのこと。コストをかけることなく容易に導入可能な技術となり得ることから、チームは本システムが歯科CT画像の標準機能となる可能性も指摘する。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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