患者の服薬状況を見守るAI

米国の健康保険会社Cignaは、AIを利用して患者の服薬遵守状況を評価する取り組みを開始する。特に糖尿病や心疾患などの慢性疾患を対象とし、服薬アドヒアランスの向上を通した「疾患コントロールと医療費の適正化」を目指す。

CBS Newsの報道によると、利用されるのはHealth Connect 360というAIツールで、薬局の請求書データや治療記録、検査結果、生体データなどを総合して患者の服薬ステータスを評価し、リアルタイムで医療者に情報共有できるという。同サービスに参加する患者は、グルコース測定器と血圧測定用カフを用いた生体データの提供を行う。

ツールを作成したExpress Scriptsは「糖尿病患者の36%以上が服薬計画を遵守していない」とし、適切なアドヒアランスを確保すれば、患者一人当たり2500ドルの医療費が節約できると指摘する。一方で、特に米国においては定期服薬を守れない最大の理由に「高額な服薬コスト」があり、米国心臓協会(AHA)の調査では8人に1人の米国人が「処方薬が高額なために内服しないことがある」との結果を示している。

Health Connect 360では「より安価な代替薬を見つけるのに役立つ機能も提供していく」としており、医療を巡る巨大な問題がテクノロジーによる解決の足がかりを得るか、大きな注目を集めている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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