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歯科医を助けるAI – 画像から下顎管を自動同定するアルゴリズム

下顎の親知らずを抜歯する際など、神経や血管束の走行がある「下顎管」の位置関係を正確に把握し、この損傷を避けることが欠かせない。これまでレントゲン画像やCT画像から手作業で確認していたこのプロセスを、AIによって自動化する取り組みがある。

フィンランド・タンペレ大学の研究チームは、畳み込みニューラルネットワークを用い、歯科用コーンビームCT画像から下顎管の位置を正確に特定するモデルを開発した。Medical Xpressが今週報じたところによると、特段の既往歴などを持たない一般患者を対象とした場合、識別精度は人間のスペシャリストと同程度であるという。

現時点では多様な背景を持つ患者においての精度を確かめておらず、スタンドアローンのシステムとしての公開には至っていない。研究を率いたJoel Jaskari氏は「研究の目的は専門家を代替することではなく、彼らの仕事をより効率化するためにサポートすることだ」と語る。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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