ファーストネーションズと呼ばれるカナダ先住民族は、多様な社会問題のうちに生きている。登録インディアンの多くは「保留地」と呼ばれる特定地域に住んでいるが、これらは僻地を中心に所在しており、医療アクセスは極めて悪い。近年急速な発展をみせるバーチャルケアが、このファーストネーションズ問題の一端を改善することができるのかもしれない。
オンライン診療サービスのトップリーダーであるTeladoc Healthは先週、Johnston Groupとのパートナーシップを公表した。これにより、同社のオンライン診療サービスはファーストネーションズの一部をカバーし、医療アクセスのギャップを埋めることに役立つとしている。カナダの医師のほとんどが大都市およびその近郊で医療を展開しており、農村部など僻地において日常診療に従事する医師は全体の8%にとどまるため、広大な地域を少数の医師で管理する体制が続いてきた。
COVID-19の感染拡大に伴い、オンライン診療サービスの価値が大きく見直されたが、これは日本も例外ではない(過去記事)。withコロナ時代にあって医療の在り方が大きく変わろうとするなか、先端技術が「少数民族が被る健康格差」への処方箋となるか注目が集まっている。