Teladoc Health – カナダ先住民族の医療アクセス改善へ

ファーストネーションズと呼ばれるカナダ先住民族は、多様な社会問題のうちに生きている。登録インディアンの多くは「保留地」と呼ばれる特定地域に住んでいるが、これらは僻地を中心に所在しており、医療アクセスは極めて悪い。近年急速な発展をみせるバーチャルケアが、このファーストネーションズ問題の一端を改善することができるのかもしれない。

オンライン診療サービスのトップリーダーであるTeladoc Healthは先週、Johnston Groupとのパートナーシップを公表した。これにより、同社のオンライン診療サービスはファーストネーションズの一部をカバーし、医療アクセスのギャップを埋めることに役立つとしている。カナダの医師のほとんどが大都市およびその近郊で医療を展開しており、農村部など僻地において日常診療に従事する医師は全体の8%にとどまるため、広大な地域を少数の医師で管理する体制が続いてきた。

COVID-19の感染拡大に伴い、オンライン診療サービスの価値が大きく見直されたが、これは日本も例外ではない(過去記事)。withコロナ時代にあって医療の在り方が大きく変わろうとするなか、先端技術が「少数民族が被る健康格差」への処方箋となるか注目が集まっている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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